トレーラーハウスのメリット・デメリットを徹底解説!
トレーラーハウスという言葉は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという方がほとんどではないでしょうか。
今回はトレーラーハウスとは何か?どんなメリットやデメリットがあるのかを徹底解説いたします。
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- そもそもトレーラーハウスって?
まずは、トレーラーハウスが何かというところからご説明していきますので、トレーラーハウスとはどのようなものかを確認してみましょう。
【トレーラーハウスとは】
・道路運送車両法で定められた自動車であること
⇒公道を走ることが可能。あくまで車両扱いなもの。
・土地側のライフラインとトレーラーハウス側の接続構造が工具を使用しない方式であること
⇒電気・ガス・水道の取り付けが簡単に行える
・随時かつ任意に移動できる状態で設置し、かつその状態を維持すること
⇒常に移動できる状態を維持している
これらを一言でまとめる、【トレーラーハウスとは「移動できる家」】です。
トレーラーハウスは、車両としての要素があり、内装は家そのものでお風呂やキッチン・トイレなど暮らすために必要な物は全て用意する事が出来ます。
ただ、これらの事を説明すると、トレーラーハウスとキャンピングカーって一緒じゃないのと聞かれることも多くありますので、次にキャンピングカーとの違いについてご説明致します。
- キャンピングカーとの違いは
トレーラーハウスは、そのものが自走するわけではなく、タイヤがついたシャーシの上に建物が載っています。そのため、移動するためには車でけん引する必要があります。
一方、キャンピングカーは、通常の車と同様にエンジンが搭載されているので、普通車のように公道を自走することが出来ます。
次に設備面ですが、トレーラーハウスは、電気・ガス・水道などのライフラインも外から供給が出来ますので、先述の通り家と同じように使うことが可能です。
キャンピングカーは、給排水の設備は家と同じようにというわけにはいかず、車に取り付けた付属のタンクを使用します。そのため、定期的にタンクに水を入れたり、トイレの処理は必須になります。
また、キャンピングカーはトイレやベッドなど備え付けの決まったサイズの設備になりますが、トレーラーハウスは内装を自由にカスタマイズできるため、自分の好きな家具を置くことが出来ます。
自分の好きなものに囲まれた空間に出来ることも、トレーラーハウスとキャンピングカーの違いの一つと言えるでしょう。
2)費用はいくらくらい?
トレーラーハウスの価格は、一般の住宅や車と同様に大きさや年代によって異なりますが、躯体にかかる費用は11~12㎡で400万~500万が平均で、トイレ、シャワーユニット、キッチンなどの設備を含めると500万~600万ほどになるでしょう。
トレーラーハウスを長い期間暮らす場所として考えた場合、一般住宅に比べれば格段に安い金額になりますが、内装にこだわればその分価格は上がっていきます。
中には、相場よりも安い金額で購入出来るところもあるかもしれませんが、壁が薄い、内装のクオリティが低いなどの理由も考えられます。
まずは相場をしっかり把握し、そのうえで依頼する会社が高いのか安いのか、その理由は何なのかまでしっかりと判断出来る事が大切です。
- トレーラーハウスに住むために必要なもの
先述したトレーラーハウスの定義と重なる部分もありますが、トレーラーハウスに住むためには何が必要かを解説していきます。
- 設置する土地
住むためにはもちろん、土地が必要になります。トレーラーハウスを設置できる土地に関して詳しい内容は後述しますが、住民票の登録も出来、郵便物も届きます。
設置できる場所に関しては、トレーラーハウスを輸送できる土地であることを事前に確認するだけは忘れないようにしてください。
- 電気・ガス・水道などの着脱構造
キャンピングカーとの違いにも書いた通り、電気・ガス・水道などのライフラインも一般的な建築物と同様に供給が可能です。但し、一般的な建築物とは異なり、どのライフラインも工具を使わずに手動で着脱するためのアタッチメントが必要になります。
簡単に取り外しが出来なければいけないため、このライフラインの着脱構造もトレーラーハウスに必要な設備の1つです。
3)車として必要な機能
トレーラーハウスは公道を走ることが出来なければいけませんので、ナンバープレートの交付が必要です。ナンバープレートが無ければ公道は走れません。
また、ナンバープレートを交付してもらうためには車検を受ける必要もありますので、ブレーキやブレーキライトなども必要になります。
但し、トレーラーハウスは車検がないタイプもありますので、ご自身が欲しいタイプにより異なりますので、事前の確認が必要です。
- トレーラーハウスに住むメリット!
では、いよいよ本題のトレーラーハウスにはどのようなメリットがあるのかをご紹介していきます。
- 建築確認申請が不要
トレーラーハウスは、定義にも記載の通り正しい設置をすると建築物ではなく、車両扱いとなります。
そのため建築確認申請は不要です。また、土地の建ぺい率の制限も受けません。
- 固定資産税・不動産取得税が不要
先述の通り、トレーラーハウスは不動産ではなく車両扱いですので、不動産にかかる税金の固定資産税や不動産取得税が不要です。住む場所として利用する方にとっては、固定資産税等がかからないというのは最大のメリットかもしれません。
- 自動車税もかからない
トレーラーハウスには保安基準第2条(車幅2,5m車長12m車高3,8m未満)に該当し、車検を取得しなければいけないタイプと、保安基準第2条のサイズ制限を超えた大型トレーラーハウスがあります。
この大型トレーラーの場合は、車検の取得が必要ないため自動車税や重量税はかかりません。
但し、車検を取得したトレーラーハウスは、一般の車と同様に環境性能割、自動車税、重量税、自賠責保険など自動車に関する税金は必要となりますのでご注意ください。
- 建物が建てられない土地にも設置可能
先述の通り車両扱いになるので、場所に縛れることがありません。
本来は、建物を建てられない土地である「市街化調整区域」などにも設置が可能です。
ただし、市街地調整区域が全て設置できるわけではないので、設置したい場所がある場合は事前に自治体に確認した方が安心です。
- 移動、移設ができる
トレーラーハウスは、車輪が付いていますので牽引して簡単に移動することができます。
ただ、トレーラーハウスの移動時は震度5程度の揺れ状態になるため、ある程度の荷造りや梱包は必要となります。それでも通常の引っ越しと比べれば大幅に作業負担が少なく移動できるでしょう。
先ほど自動車税で紹介した車検付きトレーラーハウスと大型トレーラーハウスでは移動する条件が異なります。
車検付きトレーラーを動かすには、トレーラーハウス自体が車検切れでない、自賠責保険に加入している、牽引免許、牽引可能な牽引車を使用します。
大型トレーラーハウスを動かすには、被牽引車として基準緩和の認定を受け、特殊車両通行許可を取得する必要があります。
また、トレーラーには最大積載量(kg)が決まっていますので、家具を置きすぎた等で積載量が超過していないか気をつけなければいけません。
- すぐに更地に戻せる
トレーラーハウスは、建築物と異なり地面に杭を打ちませんので、移動させてしまえばすぐに更地状態にすることが出来ます。土地を売る際に住居の解体費は結構な金額がかかりますので、将来的に余計な費用がかからないという点はメリットなります。
- 地震に強い
災害、特に地震が多い日本にとってトレーラーハウスの地震に強いと言う点も大きなメリットです。
タイヤがついていることで、地震が起きた時の衝撃をサスペンションなどで緩和することが出来るために、一般住宅に比べ地震に強いと言われています。
すぐに移動が出来る点やトレーラーハウスで生活が出来る点から一般住宅に比べ、地震以外の災害にも非常に優位性があると言えるでしょう。
- 安く手に入る場合も
一言でトレーラーハウスと言っても、住宅用、事務所用、新品、中古など様々な製品があります。
中古など価格を安く抑えたい場合は、住宅用で400万円~、事務所用で200万円を切るトレーラーハウスを探すことが出来るかもしれません。
- トレーラーハウスホテルとして営業できる
トレーラーハウスは、住宅や事務所だけでなく、実はホテルとして開業することもできます。
もちろん開業するには、通常のホテルと同様に旅館業の営業許可を取得する必要があります。
10)投資目的・節税対策
ホテルの話から続きますが、投資目的でも有効と言えるでしょう。
理由としては、一般的なホテル建設と比べてトレーラーハウスは初期の建築コストを圧倒的に抑える事ができます。初期費用が抑えられれば、利益が出るタイミングも早まります。もちろん部屋数や満室率によりますが、初期費用が少ない分リスクは少ないと言えるでしょう。
11)不要になった際は中古販売が可能
トレーラーハウスは中古市場でも非常に需要があります。
リフォームが簡単にできることや移動が簡単なことなどから人気があると言われています。
庭に子供部屋代わりにトレーラーハウスを使い、部屋として不要になった際は、スクラップせずにそのまま資産として販売が可能な空間とするなどご家族の状況に合わせた使い方が出来るのも戸建てでは出来ないメリットです。
12)耐久性がある
一般住宅に比べ、耐久性に不安があるというお声は良く頂きます。
タイニーハウス〔回-kai-〕では、一般住宅と同様のウッドファイバーとグラスウールという断熱材を使用しております。そのため、一般住宅とも遜色ない断熱性を実現しています。
また、屋根や外壁はガルバリウム鋼板を使っており、耐用年数は25~30年と言われております。
トレーラーハウスの中には、耐久性に不安があるものもあるかもしれません。
どのような素材を使っているのかなど細かいところまで確認してみてください。
④トレーラーハウスのデメリットとは
- 運送費が高い
トレーラーハウスのけん引には、高度な技術が必要になるため運送業者に頼むことが一般的です。
業者に依頼すると、距離や車検取得タイプかそうでないかによって異なりますが、数十万はかかると考えておいた方がいいでしょう。
さらに、車検ありのタイプと大型トレーラーハウスでは、運送費も大きく異なり、約2倍の違いがあります。
もちろん自分で牽引移動できる場合は、業者に支払う運送費はかかりません。
- けん引免許が必要
費用をかけたくない場合に、自分で運ぶことを検討される方もいらっしゃるかと思います。
トレーラーハウスはけん引が必要なため、普通免許だけではなくけん引免許が必要です。
- 入り口が高い
トレーラーハウスは、タイヤが付いている為、車高が高くなるので、入り口が高い位置にあります。
そのままでは入り口から入れないので、一般的に入り口前に階段やウッドデッキを設置する必要があります。
但し、トレーラーハウス自体に溶接して設置することは出来ないため、独立した形での設置となります。
- 狭い道は通れない
先述した通り、トレーラーハウスは、牽引車で牽引しますので、狭い道や曲がれない場所へは運ぶことが出来ません。
ご自身が設置したい場所までどのようなルートで牽引するかも事前に確認が必須です。
- サイズに制限がある
トレーラーハウスは、車両の為サイズに制限がありますので、好きなだけ大きく造って良いわけではありません。
メリットの重量税でも少し書きましたが、トレーラーハウスのサイズは大きく分けて2つの基準で分かれていますが、簡単に言うと車検を取得できるサイズか、道路運行許可をとり道路を走れるサイズかです。
車検取得タイプは、保安基準第2条の制限内でなければいけません。
全長 12m(牽引部分を除くと11m程度迄のハウス)
全幅 2.5m
全高 3.8m(車台部分を除くと3m程度迄のハウス)
車検取得できないサイズの場合、
道路運行許可が下りる大きさであれば大きく製作できます。
ただ、各トレーラーハウス会社ともサイズ制限をしています。
主に全長13m、全幅3.4m、車高3.8mまでに収めています。
もしも、それ以上の広さが欲しい場合は室内を広げるロフトなどのオプション品の装着や適法に2台を設置します。
- 平屋のみしか建てられない
サイズ制限で全高と記載しておりますので、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、トレーラーハウスは高さ制限があります。最大でも3.8mまでに収めているので、2階建ては出来ません。
7)デザインに制限がある
トレーラーハウスは、サイズ・重量など制限がありますので、おしゃれなハウスデザインにするには工夫が必要です。
昔はあまりおしゃれなイメージがなかったかもしれませんが、最近では、オーダーメイドでおしゃれなデザインのトレーラーハウスが出てきました。
それでもサイズに限界はあるので全てを思い通りには難しいでしょう。
- 将来新たな税金対象になる場合がある
メリットにも記載した通り、今は固定資産税など税金の対象にはなっていません。
しかし、将来どうなるかは今の段階では分かりません。
もしかすると、今後トレーラーハウスが普及し多くの方が利用するようになった場合は、トレーラーハウス税金が生まれるかもしれません。
- まとめ
色々とお伝えしたいことがありすぎ、長くなってしまいましたが最後までお読みいただきありがとうございます。
トレーラーハウスに限った話ではありませんが、メリットがあれば当然デメリットもあります。
ただ、知らなければ良い悪いの判断も出来ません。
まずは正しい情報を知り、ご自身で本当にデメリットなのか、特にデメリットとならないのかを判断してください。もちろん全てご自身で判断するのではなく、専門家ともしっかり相談して最高のトレーラーハウス環境をお楽しみください!
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